27. 10月 2000 · [EPISODE 45]アメリカから大物ギタリストがVintage Guitar Sound Liveへやってきた!の巻 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 過去の四方山Episode1〜

3月のある日、アメリカの友人Pと国際電話での会話。

 

P:「昔から知り合いのギタリストが、4月前半に日本へ行くらしく、できればナンシーへも寄りたいと言っているんだけれど、Kunioのスケジュールを教えてくれる?」

私:「4月は前半は東京。中旬から名古屋にいるよ。でも、そのギタリストって誰?」

P:「名前はJaan(ヤーン)と言って、長年サンフランシスコを中心に活躍していて、シスコ・エリアばかりでなく、ロンドンでも有名な人と仕事をしている人。」

私:「へ~ぇ、ヤーンって?チャイニーズ?」

P:「白人だよ。Jaanという名はデイニッシュ(デンマーク・ネーム)だよ。お母さんがデンマーク人だったそうだ。日本で10日間滞在するらしいんだけれど、その間にKunioのライブか、ナンシー・ライブはないのかな?もしあれば、Jaanにギターを弾いてもらえば、みんな喜ぶんじゃないかな。」

私:「4月前半はないけれど、4月20日名古屋でライブをやるよ。」

P:「そうか。じゃあ、言ってみるよ。」

 

その数日後、またPから国際電話がかかった。

 

P:「Jaanにライブの話をしたら、それは面白いからスケジュールを変更するので、是非一緒に演奏したいと言っていたよ。」

私:「それはいいけど、どんな人?そしてどんな音楽をやっているの?」

P:「昔、バークレイで見た時は、ブルースロックをやっていたよ。指弾きは勿論、スライドプレイもうまかった。」

私:「へえ、それは面白そうだね。じゃあ、ゲストに予定しておくよ。」

P:「Jaanは、金髪で背が高くしかもきゃしゃな体格で、いつもレスポールジュニアを使っているんだけれど、もし良ければ貸してやって欲しい。」

私:「OK!」

 

ライブ数日前、Pから「Jaanをシスコの空港へ送ってきたので、数日後に連絡が入ると思うよ。では、よろしく。」と連絡が入った。Jaanが来るのはウェルカムだけれど・・・・、顔も知らないし、どんな人かもわからない。こちらは向こうからの連絡を待つしかありませんでした。

 

ライブ前日、電話が鳴ったので受話器を取ると、「Hello!」と外人女性のかわいい声が聞こえてきました。私は思わず、「おっ!Jaan(ヤーン)って女性だったんだ!そういえばジャニス・イアンもこのスペルだった?」と心の中で叫び、これから起こる展開予想に嬉しくなった私は、声を優しくして「Yes,I’m kunio. You must Jaan!」と答えました。するとその女性は、「No! Please hold on second」と言って、誰かと電話を代わってしまいました。次に聞こえてきたのは低い男の声。「Hello,This is Jaan.」。う~ん・・・・・やっぱし。

 

ライブ当日、新幹線に乗る前に電話をもらい、名古屋駅のプラットホームまで迎えに行く事になりました。Jaanは、金髪のロングヘアで身長が2mもある大男だったのですぐにわかりました。確かに大物のギタリストだ! 電話で話したAmy(エイミー)という気さくな女性も一緒でした。

彼と私は、会ってすぐに打ち解けあう事ができました。というか、お互いがお気楽な感じだったので、波長があったようです。

room59で、一応、今日一緒に演奏する曲目を確認しあった後、すぐにライブ会場へ向かいました。

 

ライブは、先にKikui Hendrix & The Blue Frameがグッドな演奏してくれた後、私達が演奏しました。

今回は、LPstd’59の音を存分に聴いていただこうと、いつもより音量を大きめにしました。しかし、レスポールの音の抜けが良すぎてその必要はなかったようです。演奏後、店のオーナーから「今日は、特に音が大きかったね。ヴォーカルや他の楽器とバランスを取るのが大変だった。」と言われてしまいました。

 

あっ、そうそう、Jaanのことを紹介することを忘れていました。

彼は今45歳。16歳でギタリストデビューして以来、ベイエリアのミュージシャン達との仕事ばかりでなく、ストーンズのビル・ワイマンの仕事をロンドンで手伝ったり、数々のレコーディングでギターを弾いているそうです。今も勿論ミュージシャンを続けていますが、趣味だったフェラーリやマセラティなどのヴィンテージ・カーを輸入して販売しているそうです。

今回面白かったのは、彼がナンシーに着いた時、アメリカの友人Pへ電話して

二人で話をさせた時です。何か、日本へ来て問題があった様なので、相談にのる事にしました。

彼は、大金持ちらしく、お金には全く無頓着で、フェラーリさえもカードで買っているそうです。しかし、日本へ来てみたら、何を買にも現金が必要だったので、持ち金がなくて非常に困っているとのことでした。アメリカから現金7,000円とカード2枚だけを持って来たらしく、しかもカードで現金を下ろすことをやった事がなく、自分のID番号を知らないために現金を下ろせないと嘆いていました。友人Pに頼まれて$500分日本円を貸してあげることにしました。

 

 

ライブ後、Jaanは、「ここ数年のセッションの中で、今日はベスト3にはいるぐらい楽しかった。なぜなら、アメリカでツアー用のバンドをオーディションすると、エフェクターをいっぱい置くギタリストに、手数の多いベースとドラマーばっかりのバンドしか来ない。それはそれでいいかもしれないが、俺の趣味じゃない。それに比べてkunioのバンドは、ギターがアンプ直結、的確なベースとタイトなドラムのシンプルなリズムセクションがいい!」と、外人独特の誉め言葉をくれました。

 

次の日の朝、名古屋駅へ送っていく車中のこと。

Jaan(J):kunioは昨日デラックスを使っていて、聴いていてものすごく音がタイトで良かった。自分は、今度ツイード・デラックスを手に入れようか思っていたが、どっちがいいと思う?

私:ツイード・デラックスも大好きなアンプで持っていたことがあるよ。でも、私個人としては、影響受けたギタリストが60’sのブラックフェイスを使っていたこともあり、その音が好きでストラトの時もレスポールの時もブラックフェイスのデラックスを使っている。ツイードは、フェンダー系のギターの時は良いが、自分はピッキングが強いのでレスポールで使うとバジイな音になってしまう。

だから、小音量でブルージイな曲を演奏する時は最高だけど、もし自分のバンドで使うならかなりモディファイしなければならないかな。

J:そうか、オールラウンドに使うならブラックフェイスかな?

私:もし、ブラックフェイスにするにしろ、ステージでがんがん使うならモディファイしたほうがいいよ。

J:じゃあ、ブラックフェイスを手に入れたら、MR.Bのところへ持ち込んでkunio仕様にしてもらうことにするよ。彼はまだ、kunioのためにモディファイした時の配線図をもっているかな?

私:知らない。

J:ところで、スライドギターをどこで覚えたんだ。びっくりしたよ。(オーバーな外人独特の誉め言葉)

私:若い頃、指で弾くのが面倒くさくなって何か良い方法がないかなと思っていた時、Duane Allmanのスライドを聴いて、これだって!レコードで耳コピーしたんだ。

J:really!

 

私:ところで、あの信号の向こうに高校がみえるだろ。マリナーズのイチローはこの高校を卒業したんだぞ。愛工大名電と言うんだ。アイアンメイデンじゃないよ。

 

 

と、まあそんなかんだでJaanはアメリカへ帰っていきました。

 

最後に、このメールマガジンを愛読されている皆様の中で、多少の失敗など肝要に受け止めていただける5名様に、先日のライブのレスポールの音が聴ける曲と、Jaanが参加している曲を足してCDRにしてプレゼントいたします。

締め切りは、4月27日いっぱいです。

 

では、次回をお楽しみに・・・・・。

 

 

 

 

★翌日、桃太郎さんから来たライブ評のメールをご紹介します。

 

こんにちは、桃太郎です。

昨夜は楽しませて頂きました。レス・ポールのハンバッキングとフェンダ-アンプとの組み合わせってああゆう音が出るんですね。

先回との違いを感じたのは、やっぱりPAFのピックアップの威力か、倍音が多くて岸田さんが一人で弾いておられても、もう一本のレスポールの音が重なっているのかな?と聞こえた場面が何箇所か有りました。

あと西尾の遊び人って、意外に真面目にギタ-弾くんですね。(爆)普段の態度から察すると「あんなにマジになっているぢゃないか!」と、失礼ながら感じました。B型代表のOットリさんもますますギターの弾き方に貫禄がついてましたね。

あとアメリカの人ですが、たまたま側で見ていたんですが、「足がでかい!」当然ながら、あの体格ですもんね-。35センチは有るんじゃないかとびっくりしました。なんかジュニアがウクレレじゃないかと錯覚する位リ-チもあるし、決定的なのはピッキングのパワ-の違い、指先だけで僕らのフル・ストロ-クと同じか、それ以上の音がでてましたもん。やっぱり肉喰っている人種と米喰ってる人種の違いですね。ファイヤ-バ-ドとか6弦ベ-スって絶対あの人達のサイズに合わせてますよ。僕らが弾いても「ありゃ、F押さえたはずなのにF#ぢゃないかい?」となりますが、あの人達のサイズだとピッタリでしょうね?そんなこんなで楽しませて頂き有り難う御座いました。  ではまた、敬具

PS:岸田さん、バックル傷がレスポールにつかないように、バックルちゃんと左にずらしていましたね?

 

 

 

★前回の[EPISODE 44]の感想を多数いただきましたので、その中からJeffRoxさんのメールをご紹介します。

 

四方山読みました。

前から岸田さんはDuaneとJeff Beckに共通するもののお話をされていましたが、今回のお話の中でもそれがあるなあと思いました。

Jeff Beckも特にGuitar Shop以降、浮遊するような音程感や流体的なメロディ感覚が顕著になってきていますよね。ピッチが合っているような合っていないような不思議な感じ、でも単に「外れている」とは言いきれない圧倒的なかっこよさがあります。

私はDuaneのプレイをそれほど聴き込んではいないのですが、確かにそう言われて聴いてみると同じような感覚がありますね。両者とも(まあ明らかに間違えているなという時もありますが)常識を超えた宇宙の波動のようなものを感じさせるプレイをします。

最近のJeff Beckは、機材の面から見ると、フローティングさせ、かつ抵抗の低いセッティングのアームユニットによってあの感じが可能となっているんですよね。

Duaneの場合は、弦のゲージと張り方に秘密があったのですね。

両者とも心の中に強烈に表現したい「何か」があって、それを音にする上での工夫なのだと思います。無駄な力が抜けていて、かつ軸がしっかりしているというのは、武道なんかにも通ずる感じですね。

また、JeffもDuaneも他に人が弾いたならとてつもなくイモなフレーズを超かっこよく決めますが、これは超絶的なリズム感覚によるのだと思うのですが、どうでしょう?

私も自分のプレイを録音して聴きなおすと、その辺にまず大きな壁があるなあと思ってしまいます。道は遠いです。

 

ではまた。

 

JeffRox