26. 10月 2000 · [EPISODE 24] オリジナル・レコード盤の威力! はコメントを受け付けていません · Categories: 過去の四方山Episode1〜

この間、久しぶりにレコード盤でデレク&ザ・ドミノスの「レイラ」やオールマンブラザーズの「フィルモアイースト・ライブ」、マイケル・ブルームフィールドの「フィルモアの奇蹟」などの名盤を聴いた。

最近、音楽を聴くのは、CDで店か通勤途中の車中でしかなかったので、それは非常に新鮮でしかも忘れていた事をたくさん思い出させてくれた。CDでロックやブルースを聴くようになって以来、その便利さにかまけて音楽の奥深さを忘れていたようだ。

改めて聴くレコードの音は、CDにはない空気感があって気持ちがよい。音を大きくしても決して耳障りにはならないのが今更ながらに不思議だ。レコスケB.B田付氏には悔しいが仕方がない、その良さは認めざるを得ない。(※レコスケとは、レコードコレクターズというマニアな雑誌に掲載していた漫画の主人公の事。)

レコード盤の中でも、特に初回ロットのアメリカ盤がすごい!ヨーロッパ盤のほうが音が良いのはわかるが、私にはハードに仕上げてあるアメリカ盤の方が性に合っている。しかも、ギタリスト全盛のロックはこれに限る!と思っている。ピッキングノイズや指と弦がすれる音の判別は勿論の事、Duaneやブルームフィールドがレスポールの2弦をチョーキングした時に、ヒューン!とエッジの立ったトレブリーな音から、徐々に反転するようにマイルドな音へ変化してゆくのがわかることがすごい!彼らの息遣いまで聞こえて来そうに感じてしまうのは不思議だ。

それにしても、この1960年代後半から1973年に作られたレコードをCD化すると、全てコジンマリして感じるのはどうしてだろう?きっと、あのロック創生期のすごさをデジタル再生方式では再現できないからだろうか・・・。特に、CDで聴く「レイラ」はレコードとの印象が違う。音がコジンマリしているためと、A面の数曲以外ほとんどの曲のリードパートをDuaneが弾いているか、それとも二人で交互に弾いているせいもあって、聴き方によってはクラプトンがギターを弾く気をなくしているように感じてしまう。しかし、初版のアメリカ盤レコードで聴くと決してそうではない事がわかる。Duaneのレスポールの後ろで鳴っているストラトはすごく挑発的でものすごい音をしている。Duaneにリードを取らせているのは、先輩クラプトンの余裕でしかないだろう。

今思い出したが、CDでもレコード原盤に近い音を出せる!レコスケB.B.田付氏の車に乗ったときに、レコードからCDRにコピーしたレイラを聞いたが、市販しているよりもかなりレコードに近い迫力のある音だった。同じアルバムをレコードに始まってCDでリマスターや紙ジャケットシリーズなど何度も買わせていただいているので、次はオリジナルレコードを再現したシリーズを出してくれることをお願いしたい。最近、若い人から「LPstd’59の音や古いストラトの音はどのCDを聴けばよいのか」という質問をいただくが、このシリーズが出ればその答えは簡単になる。昔は、来日したミュージシャンを聴きに行けば聴けた音も、なかなか聴けなくなったのは寂しい限りだ。

話は変わって、最近、昔ギターの耳コピーした曲をもう一度しようとすると全く出来ない。年のせいかと思ったが、今回レコードを聴いてわかった。CDは低音を持ち上げてあるからギターの音を聴き分けにくいが、レコードは特に中域音が良く出ているので、ギターの音がベース音やドラムの音にかき消されずコピーしやすかったのだ。ほっと、した。でも、ジョンボナムの迫力のあるドラムやジョンポールジョーンズのしたたかなベースはかえってCDのほうがその良さがわかる。ドラマーやベーシストはレコードに不満だったことだろう。もしかしたら、レコードはギタリストのためにあるのかもしれない・・・・。

最後に、Stickyのコッカーさんと兄貴の部屋へ行って、トリオの4チャンネルステレオで色々試し聴いた。兄貴が昔買ったビートルズのホワイトアルバムが、

ヨーロッパ盤シリアル番号入りだったことがわかった。クラプトンのレスポールの音はすご過ぎる!私は、これからいかにこのホワイトアルバムを自分の物にするかが当面の問題である。ちなみに、兄貴はまだその価値を知らない。

 

おしまい。

 

 

ps:2月にVintage Guitar’s Sound Liveを名古屋と東京で開催しますので、お暇でしたら遊びにきてください。

1)名古屋

THE Nancy Band

日時:2月2日(土)開演:午後8時30分

場所:平針メモリーポップス807-0680

※ドミノス+オリジナル曲+オールマンの3部構成にしました。つまり、レスポールとストラトの音が飛び交うライブにしましたので、是非遊びに来てください。対バンにナンシーの常連さんと岩永が組んだフリーのコピーバンドが登場します。入場料は1ドリンク代700円を来場の際にお支払いください。

http://home.att.ne.jp/sky/memory-pops/のスケジュール表をご参照ください。

 

2)東京

The Rice Field

G.& Vo.: Kunio Kishida   Bass: Yoshihiko Abo

Drums  : Hitoshi Iwata   Key : Oyaji Kashima

Guest : T.Z King

日時:2月19日(火)

場所:ライブスポット「パゴダ」03-3862-3350

http://www2u.biglobe.ne.jp/~pagoda/

JR線秋葉原駅(昭和通口)徒歩5分、都営新宿線岩本町駅(A4/A5出口)徒歩すぐ。

開場:午後7時 開演:7時30分

前売2,000円+1drink、前売券はナンシー渋谷店で1/24発売。

※今回は、同じ年(1952)レスポールはじめストラトなどのギターを用い、オリジナル曲だけでなくブルースも演奏します。Opening guestにT.Z KingことB.B.田付氏(四方山話で有名な・・・?)を迎えて、SP盤でしか聴けないアコースティック・ブルースをご披露いただきますのでこうご期待。