★若い血潮!
5月25日。
こんにちは。
十代の若者が入ってきた。
若者:「コショ、コショ・・・。」
私:「えっ?」
小さい声で聞こえない。
とても緊張しているな。
大丈夫?
リラックス!
若者は、気を取り直して話し出した。
若者:「今日、ツアーで大阪から来ました。」
私:「そうですか。いらっしゃい。」
若者:「僕、東京へ来たら、絶対にナンシーへ来るつもりでした。」
私:「へえ~。どうして?」
若者:「テレビで観ていました。」
私:「テレビ? 何だっけ?」
若者:「スペースシャワーTVの“モンスター・ロック”という番組で観てました。」
私:「ははは。 そうですか。」
その番組は、以前、私が“古いギターと新しいギターのブラインド・テスト(音当てクイズ)”をした番組です。
4回も出ているのに、1回しか見たことない。
十代の若い子たちが見る番組なので、時々声をかけられてびっくりすることがあります。
私:「ブラインド・テスト、当たった?」
若者:「4回のうち、1回当たりました。」
私:「優秀だね。 彼らは一回も当たらなかったみたい。」
若者:「難しいです。」
私:「まあ、しょうがないよ。この店、安いギターがないから、聴き分けにくいよ。」
ははは。
若者:「それ以来、ヴィンテージ・ギターのとりこです。」
私:「なるほど。」
彼はベーシストで、音楽学院の生徒さんだった。話を聞いているうちに、先生は4月に横浜サムズアップで対バンしたバンドのベースの人だった。
狭い世界ですね。
若者:「今日は、岸田さんのCDを買って帰ります。」
私:「ありがとう。」
お金を取りに行って、ギタリストを連れて来た。
ワイワイ。
若者:「もう、トリック・アートには凝ってないんですか?」
私:「何で知っているの?」
若者:「番組でお話しされていました。」
ははは。
若者:「今日も、ナイキですね。エアマックス!」
ははは。
私:「あれは、ディレクターが毎回ナイキを履いてきてくれとリクエストがあったからだよ。」
あの番組、若者には刺激があったみたいですね。
こういう子たちが訪ねてくれると、つくづく出てよかったと思います。
若者たち:「今日は、どうもありがとうございます。」
私:「CDを買ってくれてありがとう。」
素直で、いい子たちだ。
私:「ではね。今日は、特別に“ヴィンテージギターとは?”の講義をしてあげよう。」
若者たち:「いいんですか? 嬉しい。」
私:「語るよりも、弾く。それでわかるよ。」
若者たち:「ハイ。」
私:「まず、1955年のレスポールから。」
おおおおっ!
私:「いいかい。いいギターは、エレキといえど生で弾いてみる。」
チャラチャン!
若者たち:「いい音ですね。」
目をキラキラさせてる。
私:「でしょ。これを電気で増幅するだけ。」
ジャーン!
若者たち:「ほんまや~。」
私:「このクリーンな音で、ブルースを弾くよ。」
ククククーン!
若者たち:「いい音ですね~。」
私:「でしょ、じゃあ、アンプを歪ませて弾いてみる。」
ジャカジャン!
ツェッペリンを弾く。
若者たち:「ほんまや~!!!!」
目がキラキラキラ~!
私:「これがヴィンテージの威力だよ。 歪ませても音の芯がなくならないでしょ。」
若者たち:「素人でもわかりますね。」
私:「ヴィンテージギターに限らず、いいギターの条件は、1)いい音。2)弾きやすいこと。3)音のレンジが広く、奥が深いこと。」
若者たち:「幸せ~。」
キラキラ~。
私:「この3つの条件が満たされたら、演奏者の表現が上がるんだよ。」
若者たち:「ハイ!」
私:「ただ、使用目的によっては、反応が早い最近のギターのほうが良い場合もあることを覚えておいて。」
若者たち:「ハイ。」
キラキラ~。
私:「最後に、ヴィンテージギターは、きちんと持ってきちんと弾かないといい音は出ない。」
若者たち:「ハイ?」
私:「簡単に出ないから、ギタリストはそれぞれに創意工夫して使いこなす。だから、そこに個性が生まれるんだよ。」
若者たち:「深いですね。 勉強になりました。」
私:「良かった。」
若者たち:「また来ます。」
私:「その時は、必ずメールを頂戴。 私は、いつも店にいないし。普通は、なかなかこんな時間を取れないんだよ。」
若者たち:「感謝感激です。」
私:「良かった。これもご縁だね。」
若者たち:「ありがとうございます。 ぜひ、大阪へ来て、僕たちの学校で講義してください。」
私:「行きたいな。時間ができたらね。」
若者たち:「大阪へライブにも来てください。」
私:「年内に行くから。来てな。」
若者たち:「絶対に行きます。」
気を付けて帰って。
若い血潮・・・。
もし、自分が彼らの年に、このギター達が目の前にあったら、人生が変わっていたでしょう・・・。
若者たち。
頑張れよ。
★サイモン&ガーファンクル。
5月26日。
今日は、サイモン&ガーファンクルのDVDを観ながら、この四方山を書いてます。
昔にも書きましたが、私にとって彼らの音楽は、気が付いたら、知らない内に体に沁みこんでいた音楽。
1970年代初頭、静岡県三島市の下宿で彼らのファンの部屋から聴こえてきたからです。
自分から聴くことがなかったため、たまに聴こえるとあの時代を思い出して、胸がキュン!
特に、“アメリカ”という曲は、思い出深い。
なんか、切ないな。
十代最後の年。
三島駅、楽寿園、東レの工場、350ccのバイク、バンドで演奏した三島公会堂・・・。
みんなの溜まり場だった喫茶IFはもうない。
あの店のジュークボックスには、“シーズン”、“夜明けのない朝”、“プラウド・メアリー”、“ワイルドで行こう!”が入っていた。
たった1年しかいなかったけど、いい街だった。
まだ友人のギタリストが住んでいる。
今度、会いに行ってみるか。
つづく。
☆仙台の傘女さんからのメール
岸田さん、こんばんは。いつかのすごろく四方山みたいに沢山書いてますね。今年はトリオでブルースですか。岸田さんとブルースと言ったら気持ちいい~しかない。(笑) 新作CDジャケットは、深紅で格好いいですね。Slide a way のあの心地良さと重なりそうです。手の故障から、もうスライドは弾かない方がいいのでは…などと思っていたんです。だから、今回のアルバムも夢中になって聴いてしまいそうです。ロッキーさんの曲も入ってますよね。待ってます。
この季節、ellmerの極上jam は素晴らしいですよね。PONYさんの…フフフ、あのスティックさばきは健在かな?岸田さんも頑張ってくださいね。 傘女
※生活のスピードを超スローにしたら、四方山をたくさん更新できるようになりました。ゆったりした曲もできるようになりました。 そのうち、仙台へライブ行きますよ。よろしく!!!